2009年10月07日

命を預かるということ〜ドイツで目にした光景より〜

みなさん、こんにちは!
TEAM WILL代表(だいひょー)の齊藤です。
ようやくコラムデビューです!

ブログでもご案内のとおり、こちらのコラムは東京愛犬専門学校教諭の
芝田先生と毎月交代で書かせていただきます。

さて、第一回目のテーマを何にするか、いろいろ悩んだ末、動物の命を
預かるとはどういうことか、ハッとさせられた個人的体験をご紹介させ
ていただくことにしました。

昔、ドイツ旅行中に立ち寄った乗馬クラブで、なにやら真剣な面持ちで
話し合っている三人組の姿を目にしました。
聞けば、脚の調子が悪い馬の治療を巡り、馬のオーナー、獣医師、
装蹄師が集まって話し合いをしているとのこと。
オーナーの女性は、獣医師と装蹄師の説明を注意深く聞き、2、3質問
した後、意を決したように、「今回はこの方法で様子を見ましょう!」
と二人に伝えました。獣医師と装蹄師も「了解」といった様子で
頷き、打ち合わせは終了。

当初、てっきり女性を乗馬クラブのスタッフと思い込んでいた私は、
オーナーの女性に声をかけました。

「馬のオーナーが、獣医師や装蹄師と互角に渡りあうなんて、すごいですねぇ!」

突然、見ず知らずの日本人にキラキラ尊敬のまなざしを向けられた女性
は、キョトンとしています。
知人が所属する日本の乗馬クラブでは、獣医師や装蹄師に応対するのは
もっぱら乗馬クラブのスタッフが多く、馬のオーナーが獣医師や装蹄師
と直接話をすることは滅多にないと知人から聞いた話を伝えました。
すると、オーナーの女性はいぶかしげな表情で私に尋ねました。

「なぜ、オーナーが直接獣医師と話さないの?自分の馬なのに。」

ナゼと言われましても・・・。しどろもどろになる私。
クラブは馬のプロ、オーナーは馬シロウト。自分で世話できない以上、
クラブを信用してケアを一任すべきという暗黙のコンセンサスがクラ
ブ、オーナー双方にあるのでは?と答えました。

「うーん、私には全く理解できないわ。」

軽く頭を横に振りながら女性が続けます。

「治療を選択するのは、オーナーの役目でしょう?だって、馬に全ての
 責任を持つのはあくまで所有者であるオーナーですもの。
 お金もオーナーが出すわけだし...。」

「それはそうですけど、ほら、馬のオーナーと専門家とでは絶対的に
 知識量に差がありますから『シロウトと話をしても埒があかない』
 と敬遠する獣医さんも実際おられるようですよ?」

「なぜ??」

 女性は、ますます理解できないといった表情。
 そして、こう言いました。

自分の馬でしょう?一生懸命勉強して、知識を求め、疑問があれば
 詳しい人に尋ねるのはオーナーとして当然だと思うけれど...。
 聞けばいいのよ、理解できるまで何度だって。
 自分の馬の健康を把握するのに、一体誰に気を遣う必要があるの?
 その馬に一切の責任を負うべきはオーナーなんだから当然のことで
 しょう?
 それをとやかくいう相手なら....私なら見切りをつけて他を探す
 わね。
 もっとも、ドイツではそういう獣医は少ないと思うけど・・・


私は、彼女に頭を「コツン!」とされた気がしました。
彼女が話していることは、馬のみならず伴侶動物の飼育全般について
いえること。

その時々で最良な判断を下すためにも、日頃から
勉強を怠らず、正しい知識に裏付けされた「ものさし」を持っているか?


必要な時は「NO」の意思表示を態度で示す覚悟と勇気を持ちあわせているか?

彼女の言葉が胸に響きました。
そして、自分のこれまでの言動を冷静に振り返ってみたところ・・・
恥ずかしながら「YES」と胸をはって答えられない自分がいました。

勉強の必要性はひしひしと感じつつも、しない「言い訳」を自分に許し
ていたのです。

「時間がない」「セミナーや書籍の料金が高い」「遠い」「専門的すぎ
て理解できそうもない。」「愛犬は若くまだまだ元気。」
「その気になりさえすれば、いつでも勉強できる」「しつこく質問して
主治医に煙たがられるのもイヤだし・・・」「今になって一から主治医
探しをするのも大変だし犬も慣れた先生がいいだろうし・・・」etc.

これらは全て、アクションを起こさない自分への「言い訳」でした。
愛犬を「何より大切」と言いつつ、命を預かる者として真の責任の重さ
を認識していなかったことを恥じ、何より愛犬に申し訳ない気持ち
で一杯になりました。

今すぐ「やらない言い訳」は封印し、愛犬としっかり向き合おう!
そう心に決め帰国の途に着きました。

突然愛犬が旅立ったのは、そのわずか1週間後でした。
予想だにしない、あまりに突然の別れに、ただただ悔恨の気持ちが募り
ます。
「まだまだ時間がある」と悠長に構えていた自分の傲慢さを思い知りま
した。

先月開催された「動物愛護シンポジウム」にて日本獣医生命科学大学の
鷲巣月美先生が次のように述べられていました。

私たちは動物と暮らし始めたその日から『命も含めた委任状』」を
 動物から預かっているのです。


命を預かる重みと責任の大きさを、端的に表した言葉だと思います。


以上、まとまりのない内容になってしまい申し訳ありません。
最後までお読みくださり、どうもありがとうございました。

次回は、いよいよ芝田先生の登場です!

どうぞお楽しみに^^。

ニックネーム だいひょー at 12:40| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする